色を取り戻す
優しい自分、弱い自分じゃ、生きていけなかった。
だから、その気持ちが見えないように、しっかりと鍵をかけて門番をしていた。
誰かに見つけられないようにじゃなくて、自分が気づかないように。
正しくないと強くないと、そこに立っていることさえ、許されなかった。
どんなに閉じ込めても、なくなることはない。
記憶から排除しても、なくなることはない。
だったらその想いを取り戻そう。
あの日、手放してしまった、たくさんの色を取り戻そう。
色のない世界を、生きてきたからこそ、色の美しさを感じられるはずだ。
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